45 . Episode 45: Summer vacation spent at Lanui Luisa, the sun and the southern island!



東レテリア大陸(たいりく)から離れた広い海を白い生き物が空中を移動していた。ハリュイ海域は元々別の世界の海だったが大昔に召喚されたと書物(しょもつ)に記録されている。


白い生き物の背中に広い土地があった。一人の美少女が日光浴(にっこうよく)を楽しみながら本を読んでいた。



「オススメスポットいいですわ!南の島〜到着しないかしら」

レンに召喚された召喚獣でありレンのスキルで人の姿になっているアンジュ。

彼女は青色の水着でスタイルの良いアンジュがビーチで歩けば一般の男性から注目は間違いなしである。その隣では同じ召喚獣で人の姿をした。ライが剣の修業(しゅうぎょう)をしていた。


「レン殿達と久しぶりに帰ってくれば南の島に行くぞ!っとクロエ殿が喜んでいたでゴザル」
「マスターと出掛けるのも久しぶりですわ。今夜は二人だけで過ごしたですわ」

アンジュはオススメスポットのところにマルを入れていた。「夜景(やけい)の見える高台!カップルにオススメ!!」っとライは紙を見て苦笑いする。


◆◇◆




きゅおおおーー!!

「あくび大きなぁ、召喚獣で結構大きなサイズだからあくびも大きい」

全身が白く大きな身体をもつクジラがあくびをした。僕が召喚した召喚獣「白王(ホワイトキング)クジラ」。皆で海の上を移動しながらゆっくりくつろげるよう僕が召喚した。




「クジラの上に建(・)物(・)が(・)立(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)召喚獣なんて聞いた事がないよ、よしクロ!」
「ここにシロを置いてやったー!」
「そうきたか!?」
「クロエお姉ちゃん、どうする?」
「う〜ん!?」
クロエはそう言うとレムとオセロで楽しく遊んでいた。クロエに聞くとここの娯楽施設にあったゲームボードだそうだ。

「さぁすこし探検でもしようかな」

僕は椅子から立ち上がり少し周りを散歩した。

白王クジラの背中には大きな建物が並んでいる。泊まる為の宿に売店、娯楽施設が並ぶ、お城も立っている。

「おーいレン!」

セレナがレンの名を呼ぶ。売店の方でミュウとサラが色々と何かを購入していた。

「セレナ達はお店で買い物、着いた時でも?」
「ここの売店水着が売っているのほら!」

売店に座る。魚の姿をした女店員が水着が並ぶところに立っている。色々な形をした水着が並んでいる。

「南の島に着いたら皆で泳ごうと相談していた。マスターもどうだろうか?」

サラが男性用水着を持ってくる。南の島に着いたら少し泳いで素材や海底「ダンジョン」の入り口とか探検するのもいいなぁ。

「そうだね、僕も水着購入しようかな」
「レン様、日焼け止めオイルもおすすめです。ここの物はよい味のオイルでした」
「うん。あとミュウ、日焼け止めオイルは食べちゃ駄目だよ」


僕はそのあと水着を選び購入するとまた違う場所に移動した。城の方に向かい中に入ると長い廊下には部屋が並ぶ。すると何処からかいい匂いがしてきた。

「入るよ、アヤメ?」

僕はいい匂いして来た部屋の方に入ると大きさの違うフライパンが並び、大きな鉄鍋や台が並んでいる所にアヤメがサンドイッチを作っていた。

「へぇ!アヤメはお弁当作っていたんだ」
「南の島で遊んだあと皆であと冷えた飲み物と果実を用意しました」

アヤメが両手に持った果実。見た目がスイカに似ているが少し違うのは縦模様ではなく。横模様だった。

「スイカじゃない?なんて果実なんだい?」
「これは「ウォーターボム」と言う果実です♪食べたりも出来ますが強い衝撃を与えると爆弾みたいに爆発して赤い色が飛び散りますと〜ても珍しい果実なんです」


アヤメが嬉しいそうに説明する。なんだか爆発した時に飛び散る赤い色って少し想像すると光景がグロい様な。

「へぇ…そうなんだ」
「レンは城の中を探検?もしそうなら奥の部屋に鍛冶が出来る部屋があったよ、着く前に武器の手入れや道具の確認してたほうがいいかも知れないわ」

奥の部屋に鍛冶部屋があるのか、ここ城は色々と充実しているな。売店に宿屋にプールまであったここで生活して住めそうだ。



「そうだね、マグナやポーション、それに新しい防具も作っておきたいな。アヤメ教えてくれてありがとう」
「いいよ、いつもゲイボルグを手入れしてもらっているお陰でわたしもいつもと違う力をだせるようになったよ!」

そういえば、ゲイボルグの使っている素材は大昔に魔界で暴れていた魔物で僕が素材探している時に偶然に魔物ゲイボルグと出会って仕留めて、槍の素材にしたんだっけ。


その後、僕はアヤメの居た部屋から出ると鍛冶部屋に向かい、中に入ると鍛冶一式道具は揃っていた。

防具の素材をアイテムボックスに出し古代の遺産ドリムハンマーといつも慣れたハンマーを出して防具作りを始めた。


今回は軽装備で素早さと防御を誇る作りにする事にした。竜の牙を一度熱くさせハンマーで伸ばし。魔力で作った粘土で竜の牙を包むと粘土の色が変わり作りたい防具の形にした。

魔獣グリッドペガサスの翼と魔獣ゼアラ・ギアスキマイラの立髪に魔獣オーディンの鎧と籠手と脚とこねた粘土をアイテムボックスの中で革製と合成させ一通り完成。


「身体を止めるベルト。籠手と脚部分に飛び道具のダガーやワイヤーを装備しておこう、あとはこれで出来た!」




【鎧】名 神託の鎧ペルセウスノヴァ    


効果Def+650 Atk+320 素早さ+800

評価ランクB

【説明】見た目は革鎧の種類だが、その性能は重量級の鎧以上に硬くつらぬく攻撃も溶岩の熱も防ぐ、素早い能力を上げる効果もあり、革鎧が破壊されたときは潜在能力の力を引き出す効果あり。


【腕】名 選ぶ運命籠手カシオ=ラグナロク

【脚】名 永遠の流星脚オリオンスペル



籠手と脚も評価はBで説明文もペルセウスと同じように書かれていた。破壊したら潜在能力の力を引き出すと効果はどんな物か試してみたいな。

「マスター!」
「リアラどうしたの?」

鍛冶部屋なので誰も見られないと分かった妖精リアラはレンにもうすぐ南の島に到着すると伝える。

「これを試すのは別の機会にしようととりあえず」

レンは出来た鎧と腕と脚を装備して身体に馴染むように調節したあと鍛冶部屋から出て、城から出るとセレナ達全員が集まっていた。

「見てレン!ここの海透明だよ!?」
「綺麗ですわ」

海が透けて魚や魔獣の泳ぐ姿がみえる。大きな港が見えてきたので、白王クジラに寄ってもらうように伝える。



クォォンーー!!!


クジラが鳴き声を上げると港の方に近づき僕達は降りると召喚獣を元の世界に還したあと、一人のラーケン族の女性が近づいた。


「◇○□☆♪」
「あの、すみません!?深海語分からないです!?」

するとハッ!となった。女性はペコリと謝る。


「すみません!久しぶりにヒト族の団体(だんたい)が来てつい嬉しくなって。それでは招待状(しょうたいじょう)を見せてもらっていいですか?」
「はい!」

セレナがポケットから招待状を取り出し、ジェーンさんに渡す。招待状を確認する。

「ギルド=アズマの冒険家の皆様確かに確認しました。ようこそ!太陽と南の島「ランクルイーサ」にわたしはこの島に住む。ラーケン族の「ジェーン」っていいます」
「ギルド=アズマのギルドマスターしている。セレナよ!あなたがこの島の宿を案内してくれるの?」

招待状の内容には案内人が皆を宿まで案内してくれると書いていた。頭は赤いイカの触手のように伸び、小麦色(こむぎいろ)の肌をしているジェーン。

「はい、わたしがここの島の宿と観光スポット案内をマリー姫様から受けたわってます!それでは島の宿にご案内します!」

ジェーンさんが宿屋に案内してくれると言う。すると僕は近くで砂浜の近くで金属が擦(こす)りあう音が聴こえた。

「いま砂浜の方から聴こえた?」
「どうしたでゴザルか?レン殿」

セレナ達がジェーンさんに付いて行き前に進む。僕はライに何か近くで音が聴こえないか聞いてみることにした。

「ライ何か音が聴こえない。金属がぶつかった音みたいな」
「ぶつかった音でゴザルか」

ライは耳を立てる。聖獣ライガーは気配を広範囲(はんい)に感じとれることが出来る。するとライは「見つけたでゴザル!」っと言う。

「数体の魔獣とヒト族が一人、魔獣に追われているでゴザル!」
「アンジュ!?」

僕はアンジュの名を呼ぶと彼女は振り向く。

「マスター?」
「僕とライ。後で宿屋に向かうってセレナに伝えておいて!」
「アンジュ殿伝言頼むでゴザル!?」

僕はアンジュに伝えライと一緒に走ると建物に飛び移りながら移動して砂浜に向かう。

「ちょっと!もう〜わたしも連れて行ってですわ!?」

アンジュはレン達の名前を呼ぶも既に離れていたので聴こえていない。レンは建物を飛び移ると砂浜に一人走っている女の子を見つけた。

「ライが言っていた女性!?」

スキル〈遠目〉で遠くを確認すると女の子は魔獣に追われていた。後ろには犬の様な魔獣とその上には黒い服に顔は黒い布で覆われていて顔がみえない。



「あの魔獣を操っているのは黒服の人達のようだね、女の子を助けないと!?ライ!」
「承知したでゴザル!」

ライはレンの考えが解るとすぐに人の姿から聖獣ライガーになり、レンは背中に乗ると猛スピードで走るライガー。

「ガンナー形態(けいたい)!」

マグナをガンナー形態にさせると魔力を込めた弾丸を魔獣の方に放つ。何匹か魔獣に当たり倒すと黒服の者達が魔獣から離れ、武器を取り出す。


小さい鎌に丸い先端に鎖が付いていた。見た事がない武器。

「武器なのか?」
「あれは鎖鎌(くさりがま)!?奴らは「シノビ」でゴザルるか!」

ライガーはそう言うと鎖に付いた金属製の小さいハンマーを回して投げ飛ばした。恐らく金属の音した正体はこの鎖鎌のようだ。


「進化召喚!ライ!」


ライは人の姿になると刀を鞘から抜くと一斉に飛んできたハンマーと鎖を一刀両断した。僕はマグナ「ガンナー形態」から「ソード形態」に変え黒いシノビに斬りつけた。



ギジャァ!!?


黒いシノビが消えると僕は砂浜に着地して追いかける犬の魔獣の道を塞ぐ。逃げていた女の子は追いかけて来ない事に気が付き振り向いた。

頭はジェーンさんと同じイカの様な青い色の触手だが、すこし違う吸盤の形や大きさが違う。服装はワンピースを着ているが首に宝石をぶら下げている。


「あなたは誰?」
「冒険家です!助けにきました!」



グルル!グワァァーーー!!!!


スキル〈鑑定〉で魔獣を調べると魔獣「ブラッドハウンドシーサー」という名らしい。襲って来た。ブラッドハウンドは爪をたて切り裂こうとするがマグナで受け止めたあと胴体を横に切り、横から襲うブラッドハウンド。

「《ファイアボルテックス》!」

巨大な火の玉に稲妻が走りブラッドハウンドに当たると燃える火と電撃が身体に走りながら魔獣は息絶える。


ギャルアーー!!

「キャ!?」

グォン!?

黒いシノビが後ろの女の子を襲うがそうはさせない!僕はダガーをとり出し投げる。黒いシノビ達に全員に当てると消え魔石とアイテムを落とした。

「ライ!一気に片付けよう」

ライは黒いシノビを刀で両断するとレンの方を見て頷く。

「承知でゴザル!」
「はぁぁ!《ソードインパルス》!」

眼で追えない神速の速さでブラッドハウンドと黒いシノビに斬撃を与え蹴りを繰りだし魔獣とシノビを囲むとライは居合い斬りの構えをした。

「トドメ…奥義!《螺閃虎鉄斬》!!」


刀を構えた瞬間、ライは消えた。すると黒く赤い閃光の斬撃が魔獣とシノビの身体から放つと囲んでいた化物達は消え砂浜にはアイテムと魔石が落ちていた。

カチ!っと刀を収めるライ。レンもスキル〈探知〉で周りに敵がいないことを確認するとマグナをしまう。

レンは女の子に近づくと怪我がないか聞いた。

「大丈夫?怪我していたらヒールかけるから」
「うん。大丈夫」
「ここの島の住人?」
「うんうん違う」

女の子は違うと言う。じゃあ僕達と同じように姫様に招待されたか観光に来たか?

「僕はアズマ=レン君の名前は?」
「「レイア」。わたしお母さんと一緒に居た。けど知らない間にお母さんと。はぐれて知らない黒い人達に追いかけられてわたし逃げた」

どうやらレイアは迷子になったあとにあの黒いシノビ達がレイアを襲い追いかけられた。レイアを拐おうとした目的は分からない。 

「レン殿ここに居るのも些か危険。一旦レイア殿と共にアンジュ殿達と合流した方がよいでゴザル」
「またシノビが来るかも知れないか…」


ライの言う通り。この場に長く居るのは危険だ。レイアと一緒に一旦僕達のギルドで保護した方が良いのかも知れない。

「レイアちゃん、僕達もお母さん探すよ」
「ほんと?」
「うん。僕達のギルドと一緒に居てくれないかな、みんなと居れば怖い魔獣も襲ってこない、だめかな?」

レイアは話しを聞いて頷く。レイアからオッケーをもらった。僕はライを元の姿の聖獣に戻してライの背中に乗る。

「行こかレイアちゃん」

僕は手をのばした。レイアは差し伸べられたレンの手を掴むと風の魔法で彼女を軽くして前の方に乗せて出発した。


☆☆★


南の島ランクルイーサにあるとある火山。


岩肌から煙を巻き上げ溶岩が流れる場所は全てを溶かして移動する。物体が神殿の方に近づくと球体2つ溶岩の中から現れる。

「「マグマスライム」ただいま到着致しました。ラフェル様、ルフェル様!1000年と長く眠って居られた仲間も時期に到着致します」


マグマスライムと名乗るが彼は魔族であり。突然変異した個体のスライムである。すると神殿の中から少年が二人現れる。同じ顔に同じ服装をしているが髪の色や顔に刻まれた古代の文字が彫られて違うように見える。

「あれから1000年ですか、願いを叶える門を奪う為に始めた「千年戦争」。それからまた1000年と随分と時が経ちましたね僕達も眠り過ぎたよ」

ルフェルがそう答える。「千年戦争」とはかつてバルバトスのご先祖が始めた戦争であり。数々の召喚師を使い異世界から強力な召喚獣また召喚者を呼び争っていた。

しかし異世界を見守る女神達が長く続く戦争に怒り。その戦争に女神が介入してたった数日で戦争終結させた。

「ルフェル。丁度良いではないか、神も悪魔も女神も昔と違い私達の復活に反応が弱くなっている。気が付くまえに」
「世界を僕達の物にする。ラフェル兄さん」
「その通りだ弟よ。もう既に観客達は待ち詫ている」
「そうだね、ラフェル兄さん。序曲をこの島から!」

ラフェルトとルフェルトが6枚の白い翼を広げ空中に浮かぶ双子の魔族。ランクルイーサ島から見える。ラーケン族が住む街が見えた。

「Let's open the stage curtain(舞台の幕は開けた)」

ラフェルはそう答えると神殿の周りには既に大量魔族が神殿を埋め尽くしていた。そして魔族は不気味な声を上げていた。



レンは近い未来にこの双子の魔族と運命的に戦う事になるだろう。のんびりとした日常を奪う双子の魔族。


少年レンと召喚師セレナと出会う事になる事をまだ双子の魔族は知らない。